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放送の大会・三つの「全国」で

(2024年3月発刊の岩手県高文連紀要に寄せた文章を,蔵出しでお送りします)

視聴覚委員3年のHRとSYは,2024(令和6)年2月の東北高等学校放送コンテスト1・2年生の大会の司会を盛岡白百合3年のSAさんと一緒に担当しました。大会の進行台本づくりから携わって,3年間の集大成を目指しました。大会後に「岩手での東北大会は6年ぶりなのにいつもエンターテインメントあふれる演出に驚きます,本当に楽しかった」との声が各県から届きました。2005年に生まれて岩手で育った巡り合わせに感謝しています。

わたしたちHRとSYは,この一年間に,次の三つの「全国」を経験できました。その集大成が東北大会の司会でした。放送「部」としての視聴覚委員会の活動で学んだことを記します。


高田松原での全国植樹祭司会

1. 全国植樹祭

全国植樹祭天皇皇后両陛下をお迎えする行事三大行啓行事です。2023年6月4日(日)に高田松原津波復興祈念公園の特設会場でおこなわれました。わたしたち二人は,4月からの3回のリハーサルをへて,133ページある14版の原稿を頭に入れて進行の仕事をしました。

植樹祭には本当に多くの方が関わりました。スタッフの方々は,風雨の中,3時間以上の台本を頭とカラダに入れて仕事をしていました。メイン司会のIBC甲斐谷望アナウンサーは,いつでも明るい声で場をつくっていました。出演者やスタッフの方がどういう仕事をしている何という人か全部頭に入れてコミュニケーションをとっていて,文字通り会を司っていました。

ここまでやるのがプロ,ここまでの全部が「司会」なんだということを学びました(ということを「視聴覚委員会の活動について」でも書かせていただきました)。

NHK杯放送コンテスト県大会

2. NHK杯放送コンテスト

全国植樹祭の翌日が放送コンテストの県大会でした。わたしたちはアナウンス部門と朗読部門でそれぞれ最優秀賞に選ばれ,7月22日から,3年間で初めてリアル開催になったNHK杯の全国大会に臨みました。

全国大会の県勢はアナウンス部門のSYの入賞一つにとどまりました。それでも審査員の先生から具体的なお褒めの声をかけられて救われました。自分も感動したらそれを直接伝えようと思うようになりました。また,自分たちのサブテーマは「友達をつくろう」で,それが達成できたのが次につながりました。

かごしま総文2023放送部門の岩手県勢

3. 全国高校総合文化祭「2023かごしま総文」

全国総文では,県ごとの発表をします。2022年・2年生のときの新人大会で「2023かごしま総文」アナウンス部門の代表に選ばれたのは,盛岡一高のFUさんとわたしたちでした。半年かけて南部煎餅を紹介するスゴい原稿,鹿児島の人がうれしく思ってくれるだろうという原稿を用意しました。

取材と煎餅づくりに協力していただいた二戸市浄法寺の石橋煎餅は,3年間毎日一緒にお昼の放送をしてきたSYkさん(浄法寺出身)の友だちのおうちです。SYkさんはディレクターとして取材を仕切ってくれて,大変充実した原稿になりました。こうして,FUさんは石橋煎餅の小麦へのこだわりを,SYは大ヒットの「チョコせん」を,HRは鹿児島のゴマ国内ではほぼ唯一の産地でつくってもらった南部煎餅を,リレーで紹介する構成ができました。

大会の会場でわたしたちががんばったのは,発表そのものもさることながら,大会全体の雰囲気を岩手県の発表時間・場所に向けさせるということでした。岩手県の発表は大会の最後のブロック,審査結果発表の前なのでサボって観光していた人たちもみんな戻ってくる,このアナウンス部門の最終ブロックには,なぜか1週間前のNHK杯放送コンテストで優勝した長崎県のKMさんセンバツ開会式の前半の司会をはじめ決勝メンバー10人のうち3人もいる,発表はSY・長崎県のKMさん・HRの順に並ぶ,もう絶好のお膳立てです。そしてみんなの期待をNHK杯決勝の3人ではなく岩手の3人に向けさせようと,大会の初日から南部煎餅石橋煎餅を配って友だちづくりに励みました。雰囲気をつくるのが自分たちの仕事,と学んだことを,ちょっと曲げてあてはめました。

アナウンスの原稿はこちらのリンクからどうぞ

発表は,すごくうまくいきました。発表中,最高に楽しかったです。そしてアナウンス部門が終わってステージから降りたところに「楽しかったー,面白かったー,こういう放送したかったー」と真っ先に駆け寄ってきてくれたのは弘前高校のSMさん昨年のセンバツ司会でした。全部の発表に立ち会ってきた地元鹿児島の高校生にも囲まれました。いろいろな県の先生方から「総文に来た! って感じ,大会の最後が君たちで本当に良かった」と声をかけていただいて,これ以上なくうれしかったです。

左手には鹿児島のごまの南部煎餅

わたしたちの発表に賞はいただけませんでしたが(ブロック1位だけが優秀賞,わたしたちのブロックはNHK杯に続いて長崎県のKMさんが選ばれました),岩手日報で取り上げていただき(賞がもらえなくてもばっちり写真付きで載るんだ…),朝一番にそのことを知らせてくれたのが石橋煎餅のツイッターでした。すごくかっこいい褒め方で,帰りの新幹線が速く感じられました。